2011シーズンを終え『FC東京は本当に強くなったのか?』

FC東京は本当に強くなったのか?』 2011シーズンを振り返りながら考えてみたいと思います。
開幕前は、J2史上最強のメンバーとかJ2に黒船来襲とか言われました。
大震災がありいろいろな事を経験しながら迎えたリーグ再開・アウェー千葉戦。対策はしたはずのオーロイの高さとミリガンのロングスローにやられ0-3の完敗。落ちるべくして落ちたのに何も変わってなかった。決定機を決められない東京・失点してバタつく東京、何を変えなければいけないのか理解出来ていなかった。慢心があったと言われてもしょうがない。千葉戦後、東京が変わるのには時間が掛かる事に気が付いた次第。
0-0に終わったアウェーの東京ダービーでは、試合後のブーイングに対し「勝利を期待されてるんだと再認識した」と当たり前過ぎる事を選手がツイートしてしまう始末。
再開後5試合目のアウェー草津戦。最悪とも言える内容で敗戦、平山に続き高松までも骨折で高さを失った東京。この間々では「強くなって」どころか「J1に戻る」事も厳しいと感じたのと同時に、「俺何やってるんだろう」と弱気にもなりました。
しかし、どん底まで落ちて目を覚ましたのか・腹をくくったのか、やっと選手が立ち上がる。選手ミーティングで全員が意見を言い合い、繋ぐサッカーへ転換する事に。2011年の最大のテーマだった『自立』が出来始めた時だったでしょうか。
ホーム湘南戦は1-1の引き分けに終わったものの、繋ぐサッカーに光が見えた試合。続くアウェー京都戦、降格が決定してしまった地・西京極での試合は、1-1になってからズルズル行かず勝ち越し点・追加点を奪い・ダメ押しまで決めて4-1の勝利。この流れで行ければという感じでした。
ホーム湘南戦から7月のホーム熊本戦まで11試合で8勝3分で21節には首位浮上。その頃には、課題を一つ一つクリアしていきながら繋ぐサッカーが熟成され、サポーターの「オーレ」の声と共にチームが躍動する試合が幾つも見れました。23節、北九州の繋ぐサッカーに敗戦して首位を明け渡すものの次の岐阜戦の勝ってからシーズン終了まで首位をキープ。
厳しかったのは8月9月の栃木との2試合。1試合目は梶山・高橋のボランチの足元を狙われ続け失点に繋がり相手に対策された試合。他のチームに対しても東京のここを狙えと見本になってしまったかな。それに対し東京は2試合目でボランチを飛ばしたパスやサイドを多く使い、0-0のドローで終える。この時も選手同士が「繋げない時にどうするか」と話し合いを行っていたはず。
また夏にはルーカスが東京に復帰。強化部長いわく「念には念を押した」という補強で、ホーム京都戦のハットトリックから始まり天皇杯決勝の2得点まで昇格・優勝に大きく貢献してくれました。2012年も東京でプレーしてくれるみたいで、本当にルーカスありがとう。
また、ホーム京都戦は2011シーズン初の逆転勝ちをした試合でもありました。それまでの東京は先に失点をすると「あぁまたか」と雰囲気がガクンと落ちてましたからね。逆転勝ち2試合目は天皇杯決勝・京都戦。あれっ京都にしか逆転勝ちしていないのか(汗)。これはどういう事・たまたま…!?
昇格が見えてきた10月。鳥栖に0-0のドロー・大分に逆転負け・ホーム東京ダービーは1-1と、J2の厳しさを再認識すると共に、中を固められた相手をどう崩すのかなど工夫がまだまだ必要だと感じた試合。東京にはまだまだ成長の余地はある。
残念だったのは昇格がアウェーの試合で決まり、優勝は東京の試合が無い日に決まってしまった事。味スタでみんなで盛り上がりたかったですね。それも昇格・優勝が出来たから言える愚痴(笑)。
さて、リーグ戦が終わってから、ここまで書いて『FC東京は本当に強くなったのか?』を書こうと考えていたのですが、まさかまさかの天皇杯優勝。J1とやってどれくらい通用するのか見てみたいと思っていたけど、準決勝セレッソに勝つまで正直優勝までは考えていませんでした。
神戸・浦和・セレッソとJ1の3チームに勝っての決勝進出。1年間J2で揉まれた球際の強さは通用していたし、浦和戦・セレッソ戦の鬼プレスも凄かった。J1とやるほうがスペースがあって繋ぎ易い事がわかったのも収穫。
2011シーズンを終え、選手同士の話し合いが増え少なからず仲良しクラブから脱却出来たと思う。メンタルも強くなったかな。繋ぎ倒すのか蹴るのかなど選手間の意思疎通も。チーム最多得点はリーグ8位10点のセザーで、十何人がゴールを決め、どこからでもゴールが奪えるチームにもなった。セットプレーからもゴールを奪えるようになった。やっぱり東京は繋ぐスタイルで戦いたいと思えたシーズンでもあった。そして2011年最大の課題であった『自立』はどこまで出来たでしょうか。
FC東京は本当に強くなったのか?』 強くなったと思うけど、どれほど強くなったのか・J1で優勝争い出来るくらい強くなったのか、それは2012シーズンが始まってみないと・2012シーズンが終わってみないとわからない。それを楽しみに2012シーズンを迎えたい。