アクネミクスを考える

強く愛される首都・東京のチームを目指してJリーグを戦うFC東京。クラブの歴史と未来を考えた時、1998年のクラブ創立・1999年J加盟から2010年J2降格までが第1期、2011年J2優勝・J1昇格から現在(進行中)までが第2期となるでしょうか(前身の東京ガスFC時代は序章になるのかな)。1期・2期と言うと安倍内閣みたい。
そこで、アベノミクスに倣って阿久根社長のお名前から“アクネミクス”という造語の引用語を使い東京の現在と将来を考えてみる。まず、アベノミクスの東京版“アクネミクス”はFC東京2015VISIONになるのであろうか。
最初に、世間的にアベノミクスで本当に景気は良くなるのか?というなら、東京ファン・サポーター的に言うと“アクネミクスで本当に強く愛されるチームになるのか?”という大きな疑問が生まれる。
アベノミクスは「金融政策」「財政政策」という両輪にプラス「成長戦略」という“三本の矢”が基本方針とされている。東京の第2期が始まって3年、“どんな方針”でどこが変わったのであろうか。
一つ目の方針。“繋ぐサッカー” 下部組織も含めクラブが目指すサッカースタイルが繋ぐサッカーに。これは2015VISIONには掲げられていないがクラブとして基本方針になっている(VISIONでは攻守に支配するという表現になっている)。どんなサッカーが楽しいと思うかは人により違いがあるが、観ていて楽しいサッカー・プレーしていて楽しいサッカーはやっぱり“繋ぐサッカー”というのが東京の答えであり、強く愛されるチームを目指す上で必要不可欠なもの。楽しいサッカーで勝利し・楽しい試合観戦にする、それこそが東京のスタイル。“楽しい都〜恋の都〜夢のパラダイスよ〜華の東京〜”である。
二つ目の方針。“自立“ J2降格以降、阿久根社長が1番強く取り組んでる事。それはトップチームの選手のみならず、フロントスタッフ・下部組織スタッフ選手・キャラバン隊に至るまで一人ひとりが”自立“したプレーヤー・人間・社会人になる事が求められている。何故ならそれまでの東京を見た時に”子供“だったから。東京という土地柄・風土なのか、悪い意味で優等生で大人しい人間ばかりでした。目立たないようにし、角が立たないように周りの意見に合わせる”他人任せ“で”仲良しこよし“の集まり。降格した原因とクラブの成長を考えた時に1番の課題で取り組まなければいけない事が”自立する事“だったのであろう。
トップチームにおいて、繋ぐサッカーと自立する事に大きく舵が切られたのは2011年J2リーグ第12節・アウェー草津戦の敗戦だろう。試合翌日、選手達が本気で話し合い、繋ぐサッカーをしたいと監督に申し出た事が始まり。またそれは現在進行形・発展途上で終わりは無く、未来のチーム・選手にも受け継がれなければいけない。
繋ぐサッカーと自立は、強く愛されるチームになる為の土台となるであろう。では、味スタを満員にする為・2015VISIONに掲げられている事の達成・実現の為の方針・具体策とは。それがアベノミクスで言うところの成長戦略になるのかな。東京の成長戦略とは何であろう。
FC東京が取り組んでいる事。首都東京としての知名度向上・(選手の)新育成プログラム・クラブサポートメンバー制度・青赤横丁(スタジアムグルメ)・ドロンパ知名度(人気)の向上・総合スポーツクラブ化 などなど。これが東京版・成長戦略になるのかな…。例えば一時 噂にあったスター選手の獲得も一つの戦略。
さて、強く愛されるチームに東京はなれるのか!? 強い=勝利=優勝と考えれば、やっぱりJ1優勝  愛される=戦績に関係なく毎試合多くの観客が来場  と考えるのが必然か。その為の方針=成長戦略は満足なもので間違いではないのか!?
東京に限らずJクラブはどこも観客動員が横這い・減少傾向にある。理由はサッカー人気の停滞と不景気が主な原因か。2015VISIONはその辺りも踏まえたモノになっているが、だからと言ってそれを理由に手を拱いている訳にはいかない。東京は降格を経験したにも関わらず良く頑張っているという見かたも出来るが、首都東京のクラブとして他のJクラブを引っ張る意味でも頑張らなければ。都民1300万人という大きな可能性が目の前にぶら下がっているのだから。
(参考までに、ヴァンフォーレ甲府がある山梨県の人口は約85万人・甲府市の人口は約19万人、観客動員は東京の約半数である)
不景気などの状況でも来場者・観客を増やす為には、斬新で画期的な戦略・方針・活動が必要であろう。例えば、YouTubeFC東京チャンネルの使い方、これはもったいないと思っている。内容・ソフトをもっと多様化・充実させたコンテンツ(チームの紹介・観戦方法など)にして、バンバン世の中に出したらどうだろうか。今はネット社会なのだから、ソレを活かすべきでは。FC東京チャンネルをYahoo!の広告宣伝に載せるくらいやって欲しい(無駄金になってはいけないが)。
前社長が掲げていた2011VISIONでは大きな目標が立てられていた。それに対し2015VISIONは現実的で足元を見た目標設定がされていると思う。大きな目標を立てるか、現実的な目標を一つ一つ達成していくか、そのやり方は人それぞれで良い悪いではない。1番重要な事は、強く愛されるチームになる為に2015VISIONの達成・実現は通過点とし、その先にあるであろう、満員の味スタでシャーレを掲げる東京の歓喜という時間を作り・成し遂げる事。
満員の味スタで優勝。目指すべきはこれしかない。




後記。繋ぐサッカーと自立する事という方針は正しいと思うし、フロントの方々も順を追ってVISION達成に向けて頑張っていると感じています。フロントスタッフ日記によると今年の目標平均入場者数は26,000人らしい。そして、7/6の広島戦に向けて『FC東京の本気度(!?)を見極めてください』という言葉もありましたが信じて大丈夫!?。今回はクラブの事を書いたので、次はファン・サポーターの事を書かないといけないかな…。